「お気にの本はすぐ読んでまうねん」

書当快意読易尽 陳師道

関西弁意訳:お気にの本はすぐ読んでまうねん

 

『関西弁で愉しむ漢詩』 

秋白歩実 子どもの未来社

 

わたしのことか!?と大うけしました。

今日は歌の日。読む。ざくざく読む。

高校時代は古典も現代文も低空飛行だったけど、読むのは好き。

『源氏物語』のブラックさが好き。

『古事記』の神々のうさんくささが大好き。

このあたりの痒いところに手が届く本、 『イケズ花咲く古典文学』 入江敦彦 淡交社

 

読み方は、それぞれ違って面白いと思うのです。

わたしは情緒の味わいよりも陰影と意志と感性が好きみたいです。

 

好きな歌たち。

 

月の歌

 

暗きより暗き道にぞ入りぬべき 遥に照らせ山の端の月 和泉式部

天の海に雲の波たち 月の舟 星の林に隠る見ゆ 柿本朝臣人麻呂

ねがわくは花の下にて春死なん そのきさらぎのもち月の頃 西行

 

救済を求めても、のびのびと浸っても、悟ってもよろし。

 

葛の歌

 

いずくより人は入りけん真葛原 秋風吹きし道よりぞ来し 鴨長明

葛の花 踏みしだかれて色あたらし。この道を行きし人あり 釈超空

 

関係性の歌は、恨みがましくても、感嘆してもよろし。

葛の花・・・は、通ったのは人でしょうか、鬼神でしょうか。それとも性の隠喩でしょうか。

でもわたしはつい、葛の花視点で通り過ぎた存在を仰ぎ見てしまいます。

その時、影のように通り過ぎたものの気配を超えて、空の広さにびっくりするのです。