『なめらかな社会とその敵』

 思考から心の時代へというビジネス書、社会論は多々ありますが、今わたしが関心を持って探しているのは、心から体感覚へ向う本。

 

 心ですべての人は結びつけるのかな?という大きな疑問があります。

 原発問題、朝鮮人学校問題、なぜか相手を敵とみなす論調にはしりやすい。どうしてなんだろう。もしかしたら心をベースにした結びつきはどうしても外側を除外しないではいられないのかも。

 内と外をわける、日本人の基本的な心性「和」の心も、相手と自分は同じ価値観を共有している(しなければいけない)という思い込みをベースにしているような気がします。

 それだと多数派でない人は生きにくいよね。その人たち、その社会をも包み込む何か新しい枠組みはないだろうか?

 

これはそのひとつの案。

『なめらかな社会とその敵』鈴木健 勁草書房。

中身はまだ概論、数式多しということで、読むのは少し面倒かも。

内容かいつまみ。
・・・複雑な社会を単純にしようとすると、越えられない壁ができる。けれども内と外を分けるのは人間起原ではなく生物起原の現象。(細胞膜と核=社会と個人)。なくならない。

「他者を他者として受け入れたままで生きていくこと、すなわち他者の他者性と多様性を認めて生きていくことはできないのであろうか。ヒントもまた生物学的起原に隠されている。【膜】と【核】は私達の認知が作り出す仮構的な存在であり、その背景には複雑な化学反応のネットワーク、すなわち【網】が広がっている。【網】に注目し、【膜】と【核】はそこから生まれる現象に過ぎないと気づけば、この世界の観え方は、以前とはまったく違ったものとして立ち上がってくる。…複雑なものを複雑なままに生きることを可能にする新しい秩序、それがなめらかな社会である。」
二元論→揺らぎへ。
オートポイエーシス【網】とは何か
①生命の定義②生命の目的③主観性とは何か

認知の離散化(ものごとをAかBかにわける)→なめらかな社会(「中間的な状態が豊かに広がる社会」では「万人がマイノリティ」)へ。

実現化
①伝播投資通貨PICSY
②個人民主主義から分人民主主義へ…伝播投票システム
③構成的社会契約
(近代は共同幻想、大破綻、幻滅の繰り返し。反動のカタストロフ)→「外部の超越的主体を信仰するのではなく、頼りない自分たちに自ら寄って立つ社会を構築」
こういう内容(^O^)